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7th Re-master Mini

1st ALBUM <Shadows Of The Past> 1991年
(1)When The Moment Of Death Arrives
(2)Rot To Death
(3)Disengagement
(4)Rotting Ways To Misery
(5)The Truth
(6)Suffocated Beginning Of Life
(7)Beyond The Distant Vallyes
(8)Under The Suffer
(9)Descending Curtain Of Death
(10)Wings
(11)In Memoriam
(12)Mythic Silence (As They Wander In The Mist)

Recorded & Mixed by Ahti Kortelainen
Miika Tenkula(vo、g)、Sami Lopakka(g)、Taneli Jarva(b)、
Vesa Ranta(ds)
60点
フィンランド出身のSENTENCED。現在の彼らからは想像もつかない程にデス・メタルな作品。録音状態もあまり良くないし、繰り返し聴いても楽曲の印象が薄い。時にリフがユニークだったり、ギター・ソロなどに後に見られるような叙情性が僅かに感じられるが、デス・ヴォイスといい、変にヒネクレた曲構成といい万人受けではないな・・・。本作ではギターリストのミーカが極悪デス・ヴォーカルを担当している。(10)〜(12)はボーナス・トラックでデモ音源。 (レヴュー:2005年2月 )
2nd ALBUM <North From Here> 1993年
(1)My Sky Is Darker Than Thine
(2)Wings
(3)Fields Of Blood, Harvester Of Hate
(4)Capture Of Fire
(5)Awaiting The Winter Frost
(6)Beyond The Wall Of Sleep
(7)Northern Lights
(8)Epic

Recorded & Mixed by Ahti Kortelainen
Miika Tenkula(g)、Sami Lopakka(g)、Taneli Jarva(vo、b)、
Vesa Ranta(ds)
85点
冷え冷えとしたイントロから一転、ブラスト・ビートと複雑なリフと凄みを聴かせたデス・ヴォイスの応酬。複雑なリズム・チェンジも何のその、キレのある印象的なリフとメロディを配し、激烈に突き進んでいく。特に、美しい調べから雪崩れ込んでいく(1)(5)や中間部のインスト・パートの展開が劇的な(2)(4)、ドラマ性に満ちた大作(8)が聴き所だ。サウンド・楽曲の面において格段の進歩を遂げている。本作を形容するならば、それは冷たさと闇に満ちた世界の果てで荒れ狂う炎と言ったところか。本作ではミーカはギターに専念し、ベーシストのタネリがデス・ヴォーカルを担っているが彼の方がアグレッシヴで歯切れも良い。 (レヴュー:2005年2月)
3rd ALBUM <Amok> 1995年
(1)The War Ain't Over
(2)Phenix
(3)New Age Messiah
(4)Forever Lost
(5)Funeral Spring
(6)Nepenthe
(7)Dance On The Graves (lil 'siztah')
(8)Moon Magick
(9)The Golden Stream Of Lapland

Recorded & Mixed by Ahti Kortelainen
Miika Tenkula(g)、Sami Lopakka(g)、Taneli Jarva(vo、b)、
Vesa Ranta(ds)
86点
デス/スラッシュ・メタルからの脱却を図った作品。かつての面影を伝えるのはヴォーカルのみ。そのヴォーカルにしてもメロディを歌うのだからこの変化は驚きだ! 音楽的には正統派Heavy Metalである。アグレッシヴさは健在だが、2本のギターが刻むリフは叙情的で非常にメロディアス、そしてキャッチーでもある。どの楽曲もドラマティックで完成度も高く文句のつけようがない。特にツイン・リードを活かしながらもSISTERS OF MERCY風のゴシック系ニュー・ウェーブの香り漂う大作(4)、IRON MAIDENばりの展開をみせる様式美メタル(6)、故郷の美しさと極寒の厳しさを音にしたようなインストゥルメンタル(9)が本作のハイライトだろう。私の持っているのは輸入盤だが日本盤もリリースされている。そちらにはボーナス・トラックとして、Love & Deathミニアルバムから“Dreamlands”と“Obsession”が収録されている。 (レヴュー:2005年2月
4th ALBUM <Down> 1996年
(1)Intro - The Gate
(2)Noose
(3)Shadegrown
(4)Bleed
(5)Keep My Grave Open
(6)Crumbling Down
(7)Sun Won't Shine
(8)Ode To The End
(9)0132
(10)Warrior Of Life
(11)I'll Throw The First Rock

Produced by Waldemar Sorychta
Miika Tenkula(g)、Sami Lopakka(g)、Ville Laihiala(vo)、
Vesa Ranta(ds)
84点
『Love & Death』リリース後にタネリが脱退し、新ヴォーカリストとしてヴィレ・レイヒアラが加入。ベースはとりあえずミーカが弾いている。前任者のアグレッシヴ・ヴォイスに対してヴィレは押し殺したような声で歌うタイプであり、これによりデス色は完全に払拭された。歌詞・楽曲共に悲哀に満ちたHeavy Metalをやることでこのバンドが持っていた叙情美や荒涼とした世界観がより明確に浮き彫りになった。この作品以降、彼らはこの姿勢を追求していくことになる。曲によっては完成度が今一つなものもあるが、全体的には十分合格点であろう。ギターのメイン・リフに民謡風の旋律を取り入れた哀愁漂う(3)、アップテンポ・チューンだが陰りと憂いを纏う(4)、ギター・メロディの煽情力がとどめを刺すドラマティックな(5)、中近東フレーズと女性ヴォーカルの導入が神秘的なフィーリングを醸し出す(6)などは必聴。 (レヴュー:2005年2月)
5th ALBUM <Frozen> 1998年
(1)Kaamos
(2)Farewell
(3)Dead Leaves
(4)For The Love I Bear
(5)One With Misery
(6)The Suicider
(7)The Rain Comes Falling Down
(8)Grave Sweet Grave
(9)Burn
(10)Drown Together
(11)Let Go (The Last Chapter)
(12)Mourn
(13)No Tomorrow

Produced by Waldemar Sorychta
Miika Tenkula(g)、Sami Lopakka(g)、Ville Laihiala(vo)、
Sami Kukkohovi(b)、Vesa Ranta(ds)
95点
前作で試みた方向性の変化がここに来て早くも一つの完成をみせた。ダークで冷たく、荒涼としながらも心を鷲づかみにされるような慟哭の世界が広がる。何と言っても楽曲の完成度が半端じゃない。耽美的、ゴシック的な部分もあるがどの曲も強力なフックと泣きたくなるような美旋律を持ち、しかもHard Rock/Heavy Metalとしてのアグレッシヴさを保っているところが素晴らしい! 

 アルバムは極北の寒々とした大地をイメージさせると同時に本作の素晴らしさを予感させるイントロダクション(1)で幕を開ける。続くミドル・チューン(2)の冷たいサウンドと強力なリフ、熱気を帯びたヴィレのヴォーカルが早くも聴き手のとどめを刺す! この曲はとにかくサビメロがキテル。叙情的なリフが哀しみと美しさを伝えるダークでヘヴィな(3)、ドラマティックな展開をみせつつもキャッチーな歌メロとギター・リフが非常に魅力的なアップテンポ・チューン(4)(6)(11)。(4)は中近東フレーズの導入も効果的だ。彼らの真骨頂をみせつける壮絶な2曲のバラッド、寒々としながらも激情ほとばしる(7)と凄まじいほどに叙情美と悲哀溢れるフレーズで慟哭の世界を描ききった(10)で我々は血の涙を流すことになる。アルバムは泣き泣きのギターをフィーチュアした、哀しみに溢れたインストゥルメンタル(12)で幕を閉じる。この構成も美しい。

 (13)は日本盤ボーナス・トラックで『Down』製作時に録音されたもの。アグレッシヴで適度に疾走するチューンで、キャッチーさは薄いが曲としては優れているし、前作に収録されていても違和感はないほどの完成度。 (レヴュー:2005年5月)
6th ALBUM <Crimson> 2000年
(1)Bleed In My Arms
(2)Home In Despair
(3)Fragile
(4)No More Beating As One
(5)Broken
(6)Killing Me Killing You
(7)Dead Moon Rising
(8)The River
(9)One More Day
(10)With Bitterness And Joy
(11)My Slowing Heart
(12)Killing Me Killing You (Special Single Edit)

Produced by Hiili Hiilesmaa
Miika Tenkula(g)、Sami Lopakka(g)、Ville Laihiala(vo)、
Sami Kukkohovi(b)、Vesa Ranta(ds)
96点
前作『Frozen』では彼らの真骨頂をこれでもかと言わんばかりにみせつけられたが、本作も期待を裏切ることはない! 冷え冷えとした中にも絶望という炎が燃えているかのような楽曲は狂おしいほどに哀しく、切ない。この激情渦巻く楽曲の数々を聴いていると胸が締め付けられる。ここには本当に素晴らしいメロディがある。こういう形でもヘヴィさやアグレッションを生み出せる才能にはただただ、ひれ伏すのみ。リフやヴォーカル・メロディはさらに強力になり、そしてヴィレのヴォーカルも表現力にさらに磨きがかかっている。加えてサウンド・プロダクションも向上している。どの曲も素晴らしいのだが、敢えて言えば劇的なイントロで聴き手の心を一気に鷲づかみにしていく(5)はインスト・パートもスリリングでドラマティック。お得意の中近東フレーズも。そして、壮絶なパワー・バラッド(6)はピアノの綺麗なイントロで始まり、静かなAメロ・Bメロを経て慟哭のサビが炸裂! 美しくも激情渦巻く、SENTENCED史上に残る名曲だ。(12)は日本盤ボーナス・トラックだが、この名曲をエディットされてもねえ・・・。 (レヴュー:2005年2月)
7th ALBUM <The Cold White Light> 2002年
(1)Konevitsan Kirkonkellot
(2)Cross My Heart And Hope To Die
(3)Brief Is The Light
(4)Neverlasting
(5)Aika Multaa Muistot (Everything Is Nothing)
(6)Excuse Me While I Kill Myself
(7)Blood & Tears
(8)You Are The One
(9)Guilt And Regret
(10)The Luxury Of A Grave
(11)No One There
-Enhanced Part-
(12)Killing Me Killing You

Produced by Hiili Hiilesmaa
Miika Tenkula(g)、Sami Lopakka(g)、Ville Laihiala(vo)、
Sami Kukkohovi(b)、Vesa Ranta(ds)
98点
フィンランドでも北極圏に近いオウルー出身の彼らだが、ギターリストのサミ・ロパッカは次のような名言を残している。「フィンランドの極端な天候が俺達のやることなすこと総てに影響を与えている。ここでは3つのことしか出来ない。1つ目はテレビを観ること。2つ目は自殺すること、そして3つ目はミュージシャンになることだ。俺達はバンドを組んで自殺することについて歌うことにしたんだ」と。

 フィンランドに生息するルーンという鳥の鳴き声(これがまた悲哀と狂気じみている!)をフィーチュアした、凍てつく大地を彷彿させるインストゥルメンタル(1)、続く(2)の美しくも陰鬱なメロディ展開に掴みはOK。一瞬の隙も無く、“失恋” “自己嫌悪” “絶望” “自殺”などをテーマに壮絶なドラマが展開されていく。(2)(3)(4)(6)(7)(10)のように陰鬱でダークでありながらもHard Rockのスピリッツと叙情的なメロディに溢れた “動”と、,静寂と冷たさの中に狂気をたたえた(5)(8)(9)(11)のような “静”の対比が本作をより劇的でダイナミズムに富んだ作品にしている。特に(8)はアコースティカルな響きを持つ綺麗な曲だが、そのメロディはまるでこの世からフッと消えてしまいそうなほどに美しく淡い。荒涼とした極寒の大地から生み出された、美しくも哀しい慟哭の音楽は前作以上の煽情力をもって聴き手の感情に突き刺さり、アルバムのラストでは再びルーンの泣き声が・・・。それは徐々に耳障りなサウンド・エフェクトと共に絶叫となり、最後にはまるで息絶えたかのように突然切れる。壮絶だ! 

 エンハンストとして、“Killing Me Killing You”のプロモーション・ヴィデオが収録されている。
 これも死期を悟った老人が愛犬と共に最後の外出をし、翌朝には死を迎えるという内容で、極寒の中で演奏するバンド、寒々としながらも美しい墓地や海岸のシーンも印象的だ。 (レヴュー:2005年2月)
REMASTER ALBUM North From Here/Shadows Of The Past 2001年 (輸入盤)
Disc1
(9)The Trooper
(10)Desert By Night
(11)In Memoriam
(12)Awaiting The Winter Frost



80点
2枚組リマスター盤。Disc1が『North From Here』で、Disc2が『Shadows Of The Past』。リマスターで幾分音の輪郭が良くなっている。Disc1には『North From Here』の前にリリースされたシングル『The Trooper』(’93年/日本未発売/廃盤)からの曲が全て追加収録されている。IRON MAIDENの超名曲のカヴァー(9)は切れのあるリフとオリジナルよりも早いテンポ、凄みを聴かせたアグレッシヴ・ヴォイスと、痺れるほどにカッコイイ! (10)は『Amok』の方向性にある曲で、緩急をつけた曲展開と叙情美がじわじわと感動を煽る。(11)は『Shadows Of The Past』にデモとして収録されていたものだがリメイクにしちゃ音悪いな・・・。 (12)は『North From Here』収録の曲だが、アルバムと比べて多少ミックスが異なる。点数は追加収録された『The Trooper』のもの。 (レヴュー:2005年2月)
MINI ALBUM <Love & Death> 1995年
(1)The Way I Wanna Go
(2)Obsession
(3)Dreamlands
(4)White Wedding
(5)Love And Death

Recorded & Mixed by Ahti Kortelainen
Miika Tenkula(g)、Sami Lopakka(g)、Taneli Jarva(vo、b)、
Vesa Ranta(ds)
82点
『Amok』の次にリリースされたミニ・アルバム。日本盤は1997年にリリースされ、こちらにはボーナス・トラックとして『The TROOPER』」ミニアルバムから“The Trooper”と“Desert By Night”が追加収録されている。(1)はSISTERS OF MERCY風のゴシック系の陰鬱な雰囲気とHard Rock/Heavy Metalの持つダイナミズムが融合したような名曲で、特にインスト・パートが劇的だ。(2)はもっとロック色が強い曲だが叙情性はいま一つ。 
 (3)(5)はリフも叙情的かつヘヴィだし、スリリングな展開をみせるHeavy Metalだ。(4)はビリー・アイドルのカヴァーで、陰鬱でありながらもキャッチーな仕上がり。
 (レヴュー:2005年2月)