奈良県教委に申し入れを行いました
2005年2月4日、奈良県教育委員会に対し、以下のような要望を行いました。
教育長は公務のため、松井教育次長が対応されました。
2005年2月4日
奈良県教育長 矢和多 忠一殿
30人以下学級をめざす奈良県連絡会
世話人代表 大久保 哲夫
藤田 滋
山田 昇
『少人数学級実施推進』のための要望書
謹啓
季冬の候、貴職におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。また奈良県の教育の向上にご尽力いただき、敬意を表します。
当会は、奈良県において30人以下学級の実現をめざす保護者・教育関係者・市民の自主的な団体です。昨年10月に「ゆきとどいた教育実現のための県民アピール」(別紙)を発表し、広く県民にその賛同を呼びかけてまいりましたが、先日1月16日(日)に発足集会を行い、正式にとりくみを開始したところです。アピール賛同人は、教職員、保護者はもとより、各界の広範は方々に広がり、現在312名に広がっています。
当会では、少人数学級の教育効果について研究し、その成果を奈良県における30人以下学級実現のための資料としていくため、今年度、奈良県教委が少人数加配教員を用いて少人数学級を実施した79校の少人数学級担任の先生方に対し、「少人数学級の教育効果についてのアンケート」を実施いたしました。その結果、やはり少人数学級は、子どもの姿からみても、教育指導上から見ても、大きな教育効果を上げていると、回答をよせてくださり、現場では大歓迎されていることがはっきりとわかりました。(別紙)
国の少人数加配教員の運用改善措置を受け、奈良県教委が行なった今回の措置は、まさに英断であったと大きく評価したいと思います。奈良県においても、ついに始まったこの少人数学級の実施を、さらに拡大し推進していくことを、教職員も保護者も子どもたちも強く望んでいます。
そもそも30人以下学級は、国の責任において教職員定数が改善され、全面実施されることが望まれます。しかし、国がその腰をなかなかあげてくださらない中で、福島県では来年度より約20億円の県独自予算を計上し、小中学校全学年において30人程度学級を実施するという発表がありました。全国的に自治体独自の努力により少人数学級のとりくみが実施されつつある中、奈良県としても、国に強く要望いただくとともに、今回の措置を少しでも拡大し、県独自に少人数学級の実施を推進していただくよう申し入れます。県財政の逼迫する状況は、十分に理解しておりますが、子どもたちの教育のために、なにとぞご決断いただきますよう、県民を代表してお願い申し上げます。
謹白
◇県教育委員会と懇談を行いました(2005.3.23)
3月23日(火)県教育委員会と懇談を行いました。この懇談は、2月4日に提出した要望書についての現段階での県教委の見解を求め、話し合うためのものです。連絡会からは、大久保代表世話人、西浦、山崎事務局員が、県教委からは、松井教育次長、大橋教職員課長補佐が出席されました。
松井次長は、「要望書の趣旨は十分理解させていただいている。だれもが現行の40人制よりも30人以下学級の方が望ましいと考えている。」としながらも、義務教育国庫負担制度の動向や県財政の逼迫などを説明しながら、17年度については、16年度より実施の少人数加配教員を現場の要望により少人数学級編成に使用する施策を、単年度研究指定方式で継続実施する方針であることを説明しました。そして、少人数学級実現の長期的な展望は、現段階ではもつことができない状況であるとの認識を示しました。
これに対し、連絡会からは、16年度実施の少人数学級実施は、奈良県教委の英断であり、現場で大変歓迎され、大きな教育効果をあげていること、そして、福島県や山形県のように、奈良県でもさらなる拡大を望む声が広がっていることを、実態を示しながら説明し、要望しました。そして、県教委が実施している少人数学級実施研究指定校への調査結果の公表を求めました。
松井次長は、17年度の少人数学級編成要望校が昨年よりも増加していることを認め、現場の要望の声に一定の理解を示しながらも、「はじめから少人数学級がベストと決めないで、習熟度編成も含めた少人数授業にも、どのような教育効果があるか見極める必要がある」と発言し、「現状では、限られた人数の中で各学校が工夫をしていかなければいけない面もある」と、県独自の少人数学級実施には慎重な姿勢を示しました。大橋補佐も「行政としては、少人数学級と少人数授業との定量的分析がほしい。何かが違うと見える分析がほしい。」と発言されました。そして、県教委の調査結果については、「事務をすすめる上での参考にするための実施」であり、「県民に知らせることは考えていない」としました。
連絡会としては、独自で実施した調査結果から、少人数学級を望む現場の声と教育効果の大きさも紹介しながら、県教委の調査結果の公表を強く求めました。そして、財政難の中でも教育予算を維持、拡大していただくため、地方分権の流れの中で教育行政の主体性を発揮していただくために、連絡会は教育委員会のみなさんとも、知恵と力を出し合い、ともに子どもと教育のためにはたらきたいとの姿勢を示しました。