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SINGLE

 
1st ALBUM <Black Earth>


(1)Bury Me An Angel
(2)Dark Insanity 
(3)Eureka 
(4)Idolatress 
(5)Cosmic Retribution
(6)Demoniality 
(7)Transmigration Macabre 
(8)Time Capsule 
(9)Field Of Desolation 
(10)Losing Faith 
(11)The Ides Of March 

Produced by Fredrik Nordstrom 
1996年 TFCK−88792
 かつて、“リヴァプールの残虐王”と呼ばれた英国のCARCASSの2枚のアルバム、「Necrotisism Descanting The Insalubrio- us」('91年/3rd)と「Heartwork」('93年/4th)に参加し流麗なギターワークを披露したマイケル・アモット(g)はCARCASS脱退後、かねてからの念願でもあった70年代的ハード・ロックのアイディアを具現化させる為にSPIRITUAL BEGGARSを始動させたが、しかしその一方ではブルータルなサウンドを追求したHMを再びやりたいとも考えていた。そこでCARNAGE時代の同僚ヨハン・リーヴァ(vo/b)、実弟のクリストファー(g)、ダニエル・アーランドソン(ds)らと共に故郷スゥエーデンにて結成されたのがこのARCH ENEMYである。
 彼らの生み出すサウンドは“曲の始めから終わりまでメロディが流れ続け、デス的要素はヴォーカルのみ”という所謂メロディック・デス・メタルとは違う。曲の随所に強力なメロディを効果的に配置しているとはいえ、基本はあくまでもブルータルでエクストリームなHMである。
 
凄まじい疾走リフに続いて泣きたくなるようなメロディが炸裂する(1)はこのバンドの本質が具現化された名曲である。間髪を入れずに凄まじい破壊力のリフで雪崩れ込んでくる(2)、リフが意外とキャッチ―(とは言っても充分ブルータルではあるが)(3)、攻撃的なリフがダイナミズムに展開し、中間部では叙情的ツイン・リードが奏でられる(4)を始めとしてどの曲にも美味しいリフとメロディが満載の「これぞHM!」な作品である。ヨハンのヴォーカルは咆哮型でそれ程デス色は強くはないがかえってそれがいいのかも知れない。特筆すべきはマイケル&クリスの二人のギターワークである。叙情的なフレーズをここぞとばかりに炸裂させる。そのセンスといい、構成力といい見事としか言いようがない。マイケルの才能はCARCASSで証明済みだが弟もこれほどの才能の持ち主とは・・・!  なお、(10)(11)は日本盤ボーナストラックであり、後者はIRON MAIDENのカヴァーである。
 
超名曲(9)のコーラスに入る前の部分で奏でられるギター・メロディはいつ聴いても胸がしめつけられる。
 (レヴュー作成2001年6月)

 
2nd  ALBUM <Stigmata>
(1)Beast Of Man 
(2)Stigmata 
(3)Sinister Mephisto
(4)Dark Of The Sun 
(5)Let The Killing Begin 
(6)Black Earth 
(7)Hydra 
(8)Tears Of The Dead 
(9)Diva Satanica 
(10)Damnation’s Way 
(11)Vox Stellarum 
(12)Bridge Of Destiny 

Produced by Fredrik Nordstrom 
1998年 TFCK−87149
 実際のところ、ARCH ENEMYはアルバム1枚を発表して終わる可能性を孕んでいた。マイケルは彼のもう一つのバンドSPIRITUAL BEGGERSに未来を見出そうとしていたし、クリスも自らのプロジェクトであるARMAGEDDONに専念するつもりでいた。しかし「Black Earth」リリース後、CATHEDRALのサポートアクトとして ’97年に来日公演を行なった際、ファンの熱狂的な反応を目の当たりにしたマイケルはARCH ENEMYを続けていくことを決意するのであった。
 本作ではヨハンがヴォーカルに専念し、新たなリズム隊としてマーティン・ベンソン(b)、ピーター・ウィルドア―(ds)が迎えられた(この二人はクリスのプロジェクトARMAGEDDONのデヴュー作「Crossing The Rubicon」にも参加。現在ピーターはDARKANE、MAJESTICで活躍中)。しかし本作のレコーディング終了後にピーターは脱退。ダニエル・アーランドソンが復帰する形となった((1)(9)はダニエル復帰に伴い急遽追加レコーディングされた激烈疾走チューン。この2曲でダニエルは凄まじいドラミングを披露)。
 ブルータルに疾走する(1)、美しいツインギターの調べ(2)から激烈に疾走する(3)への劇的な流れ、ダークな中にも美しさを伴いリリカルに展開するドラマティックな大作(4)、コーラスがキャッチ―な(5)を始めとしてどの曲にも必ず聴き所がある。 複雑に展開していく大作もあり、前作と比べるとかなり実験的な箇所も見られるアルバムである。アレンジにも相当気を使っていると思われるがそれでもブルータルさを全然失っていないのは流石。
 勿論、
アモット兄弟の奏でるメロディは相変わらず天下一品であり、時に激しく、時に切なく、叙情タップリに聴き手の心情を揺さぶる。大作(12)のエンディングはまさに泣きの真髄である。
 (7)(9)(10)は日本盤ボーナストラック。
 (レヴュー作成2001年6月)

   
3rd ALBUM <Burning Bridges>
  
(1)The Immortal 
(2)Dead Insanity 
(3)Pilgrim 
(4)Silverwing 
(5)Demonic Science 
(6)Seed Of Hate 
(7)Angelclaw 
(8)Burning Bridges 
(9)Scream Of Anger 
(10)Fields Of Desolation’99
 
Produced by Fredrik Nordstrom 
& Michael Amott 
1999年 TFCK−87184

 名手シャーリー・ダンジェロ(b)を迎えてリズム隊を強化した本作はこれぞHMの名盤!! とにかくカッチョイイリフと煽情力たっぷりのメロディという武器を駆使してスリリングに展開していく。前作と比べるとコンパクトな曲作りだが、無駄な贅肉を削ぎ落とした楽曲群はどれもこれも名曲揃い。
 リフがカッコよく、特に中間部でのアモット兄弟によるギターの掛け合いがスリリングな(1)、続く(2)も出だしからクールなリフでカッコイイ! とにかく、これぞHeavy Metal(以下HMと略)の醍醐味ともいうべきリフが満載のアルバムなのだ。
疾走〜メジャーキーに展開していき、ソロの部分では「これでもか!」というくらいに泣きまくる新機軸(4)などを聴くと「生きてて良かった〜」と感慨に耽ること間違いなし! 泣きのメロディを奏でながら終わるHM(5)、哀愁のメロディと疾走リフのHM(7)、暗く重く沈み込みながらも美しい(8)。どの曲もイントロのリフで聴き手の心を鷲掴みし、その期待は裏切られることはなく満足感を与えてくれること必至である。マイケルのもう一つのバンド、SPIRITUAL BEGGARSのペル・ヴィバリがキーボード・パートで参加。
 (9)(10)は日本盤ボーナストラックである。前者は同郷のHRバンドEURUPEのカヴァーで激烈ヴァージョンに仕上がっている。後者はデヴュー作に収録されていた、
超名曲の再録ヴァージョンであり、兄弟のギターバトルを経てあのツイン・リードに移行してエンディングを迎えるという、よりスリリングな仕上がりになっている。必聴!!
 (レヴュー作成2001年6月)
      
4th ALBUM <Wages Of Sin>
(1)Enemy Within 
(2)Burning Angel 
(3)Heart Of Darkness 
(4)Ravenous 
(5)Savage Messiah 
(6)Dead Bury Their Dead 
(7)Web Of Lies 
(8)The First Deadly Sin 
(9)Behind The Smile  
(10)Snow Bound 
(11)Shadows And Dust

 
Produced by Fredrik Nordstrom 
& Michael Amott 
2001年 TFCK−87245
 アルバム枚数とツアーの回数を重ねるにつれてフロントマンとしての力量不足を感じ始めたバンドはヨハンを解雇。新たにヴォーカルとして迎えられたのはアンダーグラウンドでASMODINA、MISTRESSといったデス・メタル・バンドに在籍し、インターネット・マガジンの記者でもあったアンジェラ・ゴソウ。本作で彼女は、女性とは思えない程強力なデス・ヴォイスを披露。一時バンドを離れていたシャーリー・ダンジェロも戻り、これでバンドは最強の布陣となったと言えよう。
 とにかく、(1)を聴いてみて欲しい。闇の世界に引き連り込まんとする、その強力なデス・ヴォイス・・・! 終始キャッチ―なリフが流れ、中間のソロでは
アモット印120%の泣きのフレーズが炸裂する(2)、へヴィ、かつ重厚にリフが展開、中間部でこれまた切ないメロディで胸がしめつけられてしまう(3)、緊迫したリフで幕を明け、重厚なリフで突き進み、一転してギター・ハーモニーが舞う(4)、と名曲が続く。ドゥーミーな(5)(9)でも飽きさせることなく聴かせてしまうアレンジのカッコよさはSPIRITUAL BEGGARSに通ずるものがある。(8)なんて激烈スラッシュが展開!エンディングは美しいインスト(10)からHM(11)へとつながるドラマティックな構成。 
 はー、それにしても音がええわ。本作では MACHINE HEAD、NEVERMORE等でいい仕事をしてる
アンディ・スニ―プがミキシングを担当。重厚かつ、各楽器の音の分離の良いサウンドに仕上がっている。アモット兄弟の多彩(多才?)なギター・ワークについては言うまでもないが、楽曲やサウンドのへヴィさが増せば増す程、彼らの作り出すリフには伝統的なHMからの影響をよりいっそうに感じることが出来る。うねうねかつバキバキに展開するシャーリーのベースライン、より手数の増えたダニエルのドラミングがメタル耳に心地良い。強力なデスヴォイスの持ち主アンジェラを迎えてますます攻撃力がアップしたARCH ENEMY、この編成でのライヴを早く観たいぞ!
 ちなみに前作に引き続き、本作でもペル・ヴィバリがキーボード・パートで参加、楽曲に深みをつけている。
 (レヴュー作成2001年6月)
 
     
5th ALBUM <>
 

       
LIVE ALBUM <Burning Japan Live 1999>
1)The Immortal 
(2)Dark Insanity 
(3)Dead Inside 
(4)Diva Satanica 
(5)Pilgrim 
(6)Silverwing 
(7)Beast Of Man  
(8)Bass Intro
   〜Tears Of The Dead 
(9)Bridge Of Destiny 
(10)Transmigration Macabre 
(11)Angelclaw  

Produced by Fredrik Nordstrom
 & Michael Amott 
2000年 TFCK−87217

 ’99年10月末から11月にかけて行なわれた、日本公演の模様を収めたミニ・ライヴアルバム。DATで一発録りの作品。結果的にはヨハン・リーヴァ(vo)在籍時の最初で最後のライヴ音源となってしまった。(本作がリリースされた時点ではベーシストのシャーリー・ダンジェロも一度バンドを離れている。現在は復帰)
 全11曲と、少々物足りないが、彼らのライヴ・パフォーマンスの魅力が充分に伝わってくる。名曲中の名曲である
“Bury Me An Angel”や“Fields Of Desolation”が収録されていないのには不満の向きもあるだろうが、(1)(2)(3)(6)(7)(11)などの名曲が早くもライヴ音源で聴くことが出来るのは嬉しい限り。特に録音状態が素晴らしく、音の分離も良く、生々しいサウンドに仕上がっている。ヨハンのアグレッシヴな咆哮、重厚に響くリズム隊、縦横無尽に舞うアモット兄弟のギター・ワークが渾然一体となって襲いかかってくる。ああ、早くフルレンスのライヴ盤、もしくはライヴ・ヴィデオをリリースして欲しい。泣きのエンディングがカットされた(9)には不満。 
 (レヴュー作成2001年6月)

     
SINGLE <Burning Angel>
(1)Burning Angel
(2)Lament Of Mortal Soul
(3)Starbraker

Produced by Fredrik Nordstrom 
&Michael Amott 
2002年 TFCK−87281
 

 来日記念盤。(1)は『Wages Of Sin』からのカットで、MEGADETHの“Hangar 18”を彷彿させるリフで幕を明けるものの、その後のダイナミックな展開と哀愁たっぷりのAmott節が聴き応えのある、味わい深い名曲。(2)は未発表曲で、これまでのスタイルに比べて異色のあるモダン・へヴィネスなチューン。グルーヴ感たっぷりのチューンではあるが、中間部でのソロ・パートでは御馴染みのAmott節が全開。またこのフレーズが実に正統派HM的でありカッコイイのだ。ファンは必聴。(3)はJUDAS PRIESTのカヴァーで、1998年に録音されている。つまり、ここでヴォーカルをとっているのは前任シンガーのヨハン・リーヴァ。俺は原曲は聴いたことはないのだがこのカヴァー・ヴァージョンを聴く限りでは良い曲だね。ソロパートではクリスも弾きまくっているし。
 
このCDにはエンハンスト仕様で名曲“Ravenous”のヴィデオ・クリップが収録されている。アグレッシヴに動くアンジェラ嬢を見ても、
あの獰猛なヴォイスと彼女が未だにイコールにならない俺であった・・・。ライヴを見逃したのが悔やまれる。
 (レヴュー作成2002年6月)

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